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あの魚、88%も高く… 5年前のレシート持って買い物してみた

2022年06月28日

――他に値上がりが気になる商品はありますか。

大豆製品です。
大豆は、輸入品の割合が多い作物です。

新型コロナから世界が回復する中で、原油などの値段が上がっています。そこに、ロシアによるウクライナ侵攻が加わり、小麦や大豆などの穀物価格が急騰しています。

日本は輸入しているものがほとんどなので、その急騰の影響を受けています。

食品用大豆の自給率は2020年で6%。
農水省のHPより
「2%の物価上昇は『普通』」ただし…
――ちょっと話はそれてしまうのですが。5年前のレシートと今回のものを比較していて気になったのですが、食品の値段は一回値上げすると下がりにくいということはあるのでしょうか?値段が上がるニュースはよく見ますが、「この商品を値下げします」というニュースはあまり見ない気がするので。

そういう(一度値上げしたものを下げにくい)傾向はありますよね。

もともと、ものの値段は下がりにくいというのが基本です。かつての日本、そして世界的にみると、ものの値段は下がるのではなく「どれだけ上がるか」が注目されます。下方硬直性っていうんですけど。

でも日本の場合、1990年代後半、あまりに景気が悪くなったため、「企業が労働者の賃金を下げる」という一線を越えてしまいました。ものの値段は人件費に連動する部分があります。賃金の下落に連動して、ものの値段も下がったのです。

日本はその後20年以上に渡りデフレの状況が続いているので、世界的にはノーマルではありませんが、ものの値段を下げることが長く続いていました。


――確かに、「日本だけものの値段が低価格なままなのはどうなんだろう」というのはよく耳にします。

日本は世界的に見ると物価が異常な国で、なごりはいまもあります。

いまも、「物価があがっている」という声がありますが、2%ずつくらいの物価上昇は、世界でみると普通です。

アメリカとかヨーロッパは、現在物価上昇率が8%とか9%になっているから騒いでいるのです。

日本はもともと、あまりにものの値段が上がらなかったからに過ぎません。

アメリカやヨーロッパのように賃金が上昇していれば、ものの値段がある程度上がっても対応することができます。しかし、日本は賃金がほとんど上がっていないので、2%の物価上昇でも負担が非常に大きく感じるのです。

前年比12.3%の生鮮食品の衝撃
――食品の物価高の話に戻りますが、5月の消費者物価指数をみると、食べ物の中でも生鮮食品がものすごく上がっています。

生鮮食品は前年比12.3%と4ヵ月連続で前年比二桁の伸びです。

消費者物価指数は、天候などが要因で物価が変動する生鮮食品をのぞいた総合指数(コアCPI)でみることが一般的ですが、それはあくまで金融市場が注目しているものです。

一般の家計にとって物価をみるときに生鮮食品を除く理由はないですよね。
今回、コアCPIは前年比2.1%でしたが、生鮮食品を含めた「総合」は前年比2.5%でした。

その生鮮食品の中でも、タマネギの上昇率は顕著でした。前年比125%になっています。

理由としては不作が大きく、去年あたりから出荷量が少なくなっていて、市場に出回る量が減っているため価格が高騰しています。


――食品の価格上昇で気になるものは、他にもありますか?

今回発表された消費者物価指数で、上昇率が一番高いのが、前年比36.2%の食用油です。他にも、前年比25.4%のマヨネーズなど。原材料価格の高騰そのものが理由です。

パン、麺類、菓子類の価格上昇も気になります。ウクライナ情勢の影響を受けた、小麦価格の上昇が理由です。

小麦については、これからさらに上がると思われます。
日本の場合、小麦の価格を政府が決めているので、輸入価格が上がった分の反映があとにずれてくることが理由です。


「どえりゃ~安い!!」などと書かれたポップが掲げられたスーパー「ウオダイPLUS+」の店内=2022年6月21日午後、名古屋市緑区、三宅梨紗子撮影
「どえりゃ~安い!!」などと書かれたポップが掲げられたスーパー「ウオダイPLUS+」の店内=2022年6月21日午後、名古屋市緑区、三宅梨紗子撮影
出典: 朝日新聞
食料、「夏場には4%近く」予測の理由
――今後も食品の値上げは続くのでしょうか。

5月の消費者物価指数の「生鮮食品を除く食料」は前年比2.7%ですが、夏場には4%近くまで加速する可能性が高いです。

というのも、「消費者物価」は企業から家計に販売する価格のことを指します。ただ、企業から家庭に販売される前には、企業間の取引がありますよね。現在、企業間での食料品の取引はどのくらいで行われているかというと、前年比5%近いんです。

一番川下の段階にある消費者物価には企業間の取引が100%転嫁されるわけではないので、企業間の取引よりは上がりにくいですが、今後4%近いところまでいくんじゃないかと見込んでいます。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査部長
レシート提供男性、気になる「1千円の壁」
記者も、スーパーでこれまで通りの買い物をしたつもりでも、精算時に「え?こんなに高くなる?」と感じていました。

今回レシートを提供してくれた男性は、さんまの蒲焼きの缶詰の値上げ幅に驚きつつ、「5月の消費者物価指数をみても、印象通りという感じです」と話します。

「上がらないに越したことはないですが、コロナの影響で、最近は飲み会も海外旅行も行っていないので、いまは家計の不安はそんなにありません。ただ、この先どうなるかなという不安はあります」

男性が心配なのは、学生時代から年間100杯を目標に食べ続けているラーメンの値上げ。基本的には小麦など原材料価格の高騰による値上がりで仕方ないと思っているものの、「ラーメンには『1000円の壁』(1杯1000円を超えられない)があると言われているんですが、最近はそこを超えてくる店も増えてきているように思います」と話します。

今後の食品値上げがどうなっていくのか、心配しながら行方を見守っています。



Posted by bijindoll at 12:16│Comments(0)
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